自然史博物館によせられた質問(質問番号:265)

■質問したひと:屋久島の持原道子さん(2000/10/17, 発言番号:562)
鳥の剥製作成法とマムシの卵胎生についての質問
キーワード:鳥の標本作成方法 ヘビの保存方法 マムシの生態、卵胎生
 私の会社には、ときおり動物の死体が持ち込まれます。先日は死んだアオゲラを頂き、剥製にしようと作業中です。哺乳類は、皮を剥ぎ食塩とミョウバンで処理し毛皮標本(?)にはしたことがあります。鳥は扱ったことがありません。もうひとつ、マムシが冷凍保存してあります。鳥の標本作成方法とヘビの保存方法を教えていただけないでしょうか?
 また、マムシの生態、特に卵胎生について知りたいのですがご存知でしょうか?

■こたえたひと:和田学芸員(2000/10/17, 発言番号:563)
Re[1]: 鳥の剥製作成法とマムシの卵胎生についての質問
キーワード:鳥の仮剥製の作成 マムシ
 鳥の仮剥製の作成については、
◎「小鳥の剥製の作り方」本田晋著、ニューサイエンス社
を参照していただくのがいいと思います。皮を剥いで、防腐処理をして乾燥させるのは哺乳類と同じですが、いくつか違いがあります。鳥の羽は完全にぬらしてしまうと、元に戻しにくいので、洗いません。したがって、剥皮の時には、羽根を汚さないように注意します。
 両生爬虫類は、10%ホルマリンで固定した後、70%エチルアルコールで保存します。

 マムシはご指摘の通り、卵胎生です。卵が子宮内で孵って、幼体が産まれます。日本産の爬虫類の中では、他にヒメハブとコモチカナヘビが卵胎生です。
 ただし、一口に卵胎生と言っても、いろいろなタイプが含まれます。マムシは、卵ができて、それが腹の中で孵ります。ところが、一応卵殻は作られるものの、それが退化して、胎盤のようなものを形成する種もあります。こうなると、胎生との境目が曖昧になります。そのため、卵胎生と言う言葉は使わずに、卵ではなく幼体を産む場合をすべて、胎生と言うこともあります。図鑑によっては、マムシは胎生と書いてあると思います。

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鳥の剥製作成法とマムシの卵胎生についての質問(2000/10/17, No:562)
Re[1]: 鳥の剥製作成法とマムシの卵胎生についての質問(2000/10/17, No:563)