自然史博物館 質問コーナー(発言の個別表示)

■発言したひと:和田学芸員(2000/10/17, 発言番号:563)
Re[1]: 鳥の剥製作成法とマムシの卵胎生についての質問
キーワード:鳥の仮剥製の作成 マムシ
 鳥の仮剥製の作成については、
◎「小鳥の剥製の作り方」本田晋著、ニューサイエンス社
を参照していただくのがいいと思います。皮を剥いで、防腐処理をして乾燥させるのは哺乳類と同じですが、いくつか違いがあります。鳥の羽は完全にぬらしてしまうと、元に戻しにくいので、洗いません。したがって、剥皮の時には、羽根を汚さないように注意します。
 両生爬虫類は、10%ホルマリンで固定した後、70%エチルアルコールで保存します。

 マムシはご指摘の通り、卵胎生です。卵が子宮内で孵って、幼体が産まれます。日本産の爬虫類の中では、他にヒメハブとコモチカナヘビが卵胎生です。
 ただし、一口に卵胎生と言っても、いろいろなタイプが含まれます。マムシは、卵ができて、それが腹の中で孵ります。ところが、一応卵殻は作られるものの、それが退化して、胎盤のようなものを形成する種もあります。こうなると、胎生との境目が曖昧になります。そのため、卵胎生と言う言葉は使わずに、卵ではなく幼体を産む場合をすべて、胎生と言うこともあります。図鑑によっては、マムシは胎生と書いてあると思います。

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