■こたえたひと:石井陽子学芸員と樽野学芸員(2000/07/19, 発言番号:460)
Re[1]: 黒曜石についての質問
キーワード:サヌカイト
黒曜石は、火山岩の一種です。火山から珪素分の多いマグマが流れ出し、冷やされて急に固まると黒曜石になります。黒曜石はほとんどガラスと同じものなので、黒曜石の固まりを割ると鋭い割れ口ができます。有名な黒曜石の産地は、長野県の和田峠や、最近群発地震で被害が出ている伊豆諸島の神津島、北海道の十勝などです。大阪の近くでは、黒曜石は見られません。
近畿地方では、サヌカイトが石器の材料として使われてきました。黒曜石よりは珪素分が少ない火山岩で、割るときには黒曜石よりも多少力がいります。大阪と奈良の境にある二上山の一部を作っている岩石ですが、この場合も、石器に使えそうな大きさと質のものをたくさん手に入れるのは困難です。
私は、ガラス瓶の底で石器を作ったことがあります。大きなものは無理ですが小さいものなら作れます。
なお、ガラスだけでなく黒曜石やサヌカイトでも、割れ口は大変鋭いので、割るときにはけがをしないよう注意が必要です。また、ナイフのようなものは、とりあえず割ればできますが、魚を突くための銛を作るのは、大変難しいです。