自然史博物館によせられた質問(質問番号:408)

■質問したひと:枚方市のOさん(2004/10/18, 発言番号:874)
ダンゴムシの呼吸についての質問
キーワード:エラ呼吸、気管、肺呼吸
 私は私立中学で、理科の非常勤講師をしております。授業で色々な動物の呼吸のしかたをとりあげています。一般に、水中生活をするものはエラ呼吸、陸上生活をするものは気管、または肺呼吸であるとして、説明していたのですが、甲殻類のダンゴムシの呼吸のしかたがわかりません。
 地人書館、「図解 生物観察事典」によると、「腹肢の前部二対の外肢に昆虫と同じような気管があって空気呼吸を行う」とあり、そうだとばかり思っていたのですが、資料集に「ダンゴムシもエラ呼吸する」と出ていてびっくりしました。インターネットで調べると、「エビやカニのなかまなので、エラ呼吸」など、エラ呼吸派が多く、混乱しています。
 ザリガニのように、エラ呼吸だけどエラがぬれているときは空気呼吸もできるのでしょうか。それとも、エラも気管も両方もっているのですか。

■こたえたひと:動物研究室の山西学芸員(2004/10/19, 発言番号:875)
Re[1]: ダンゴムシの呼吸についての質問
キーワード:擬気管、皮膚呼吸
 ダンゴムシはエビやカニと同じく節足動物の甲殻類というグループに属しています。多くの甲殻類は背甲内に鰓(えら)を発達させていて水呼吸をします。しかし、ダンゴムシが属している等脚類という甲殻類の中の1グループにはそのような鰓は発達せず、別に腹肢に呼吸機能が存在することが知られています。水中で生活する等脚類では、腹肢が鰓の機能を担っていることになります。一方、陸上生活に適応したワラジムシ類(ダンゴムシを含む)では、1対から数対の腹肢に空気に満たされた分枝した擬気管(白体ともいう)が発達し、空気呼吸を営みます。同時に皮膚呼吸も行なっているとされています。したがって、ダンゴムシは基本的に空気呼吸者であると言えます。

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ダンゴムシの呼吸についての質問(2004/10/18, No:874)
Re[1]: ダンゴムシの呼吸についての質問(2004/10/19, No:875)