自然史博物館によせられた質問(質問番号:399)

■質問したひと:埼玉県のわかさん(2004/09/23, 発言番号:856)
ミズナラの葉に付いた赤い固まりについての質問
キーワード:葉、球形、赤
 先日、群馬県の水上の方へ出かけたときに、ミズナラの葉っぱの上に、きれいな赤い実のようなものが乗っていました。てっきり近くの木の実がついたのだと思いましたが、近くにそのような木は見当たらず、その物体もしっかり葉っぱにくっついているようでした。これは何なのでしょうか、ご存知でしたらお教えください。

 

■こたえたひと:松本学芸員(2004/09/29, 発言番号:857)
Re[1]: ミズナラの葉に付いた赤い固まりについての質問
キーワード:虫瘤、幼虫
 虫が卵を産んだりすることによって植物体に変化が起こって、瘤が出来たりしたものを「虫えい」といいます。ミズナラにできる虫えいもいくつか知られています。お送りいただいた画像の植物がミズナラだとすると、写真のような球形で赤色の虫えいはナラハスジコタマフシ、ナラハウラサカズキタマフシ、ナラハヒラタマルタマフシ、ミズナラハボタンタマフシの4つです。いずれもタマバチかのハチが卵を産み付けて出来る虫えいです。
 虫えいの中を空けてみると小さな部屋があって、その中に幼虫が見つかると思います。ナラハウラサカズキタマフシは葉の裏に形成されることが多く、ミズナラハボタンタマフシは九州の久住からのみ知られているようですので、写真の虫えいはナラハスジコタマフシ、ナラハヒラタマルタマフシのどちらかではないかと考えられます。大きさをみると前者が直径2.5〜4mm、後者が8mmということですのでそれで判断できるかもしれません。

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ミズナラの葉に付いた赤い固まりについての質問(2004/09/23, No:856)
Re[1]: ミズナラの葉に付いた赤い固まりについての質問(2004/09/29, No:857)