■こたえたひと:和田学芸員(2005/01/21, 発言番号:772)
Re[1]: カモとアヒルの違いについての質問
キーワード:家畜化、品種改良
アヒルというのは、マガモ(Anas platyrhynchos)を家禽化したもので、さまざまな品種があります。色、模様、大きさも様々です。便宜上、アヒルとマガモを分けて扱うことも多いですが、生物学的には同じ種と考えて差し支えありません。ちなみに品種とは、同じ種をさらに細分する際に用いる語の一つです。
アヒルとマガモをかけ合わせたものをアイガモと呼ぶことがあります。アイガモには、さまざまな模様のものが生まれますが、全般的に多少なりともマガモに似ていることが多いようです。またアヒルの品種の内、マガモに似ている品種をアイガモと呼ぶこともあるようです。
ご質問の点に関しては、そこで言われている“カモ”が何を指しているのかがよくわからないので、きちんと答えるのは困難です。カモの養殖場で飼育しているのが、野生のマガモを捕獲したものだとしても、飼育化で何代も繁殖させれば“アヒル”になるのは当然だと思います。アヒルの家禽化とは、まさにそうやって行われたのですから。もしもアイガモを指しているのなら、すでに家禽であるアヒルの血が混じっているので、最初は一見マガモ風であっても、代を重ねればさまざまな色や模様がでてきてもおかしくありません。