自然史博物館 質問コーナー(発言の個別表示)

■発言したひと:和田学芸員(2001/02/17, 発言番号:722)
Re[1]: 両生爬虫類の研究者についての質問
キーワード:大学院、論文、ゼミ、学会
 一流大学を出る必要はありませんが、博物館の学芸員になるのは難しいです。あまり採用がないからです。学芸員というのは、なりたくてもなかなかなれなくって、どっちかといえばプロの研究者を目指す中の一つの選択枝と考えた方がいいと思います。だから学芸員になる一番の近道は、大学院に進んで研究者になるための勉強をすることです。まじめに研究して、ちゃんと論文を書いていれば、そのうちに就職口も見つかるし、運が良ければ学芸員になれるかもしれません。

これについては、大阪市立自然史博物館HPの質問コーナーの
●1999/08/20 東京都の松原なおみさんの学芸員についての質問
●1999/01/07 高知大学の匿名希望さんの学芸員になる方法についての質問
●1998/06/13 奈良女子大学の荒川祥子さんの評議員と博物館への就職についての質問
も参照してください。

 それから、動物園や水族館には、研究職としての学芸員はふつういません。博物館であっても、ろくに研究する時間や設備がない場所も少なくありません。
 大学院に進むなら、両生爬虫類の研究ができる研究室を選ばなくてはなりません。近畿地方で両生爬虫類の研究するなら、京都大学が一番お勧めです。他にも、大阪府立大学や大阪教育大学、奈良女子大学(男の子は入れないけど)、神戸大学、滋賀県立大学などでも、両生爬虫類の研究はできると思います。
というわけで、両生爬虫類のプロの研究者への道はなかなかけわしいです。でもプロでなくていいなら研究者になるのはそれほど難しくありません。たとえば、学校の先生をしながら研究をしている人はたくさんいます。他の仕事をしながらでも、すぐれたアマチュア研究者はたくさんいます。で、そんなアマチュア研究者を手助けするのは、博物館の大切な仕事です。大阪市立自然史博物館にも、いろんなアマチュア研究者が出入りしておられます。
 博物館の機材や文献、標本を利用すれば、大学に所属しなくても研究は進められます。また大学の研究室のゼミは、あまり知られていませんが、一般の人が聞きに言ってもかまいません(一応、教授に断った方がいいですが)。頼んでおけば、案内も送ってもらえます。さらに会費(年間5000円と高いですけど…)さえ払えば、日本爬虫両棲類学会にも入会できるし、学会の大会で発表もできます。
詳しくは→日本爬虫両棲類学会ホームページ

 このように、研究をしたければいろいろとやり方はあります。大阪市立自然史博物館の近くに住んでおられるようなので、一度相談に来られてはいかがでしょうか?本当に研究者になりたいのなら、喜んで相談に乗ります。

このウィンドウを閉じる


ご意見は、monitor@omnh.jpまで。

【質問する方へのお願い】
●質問のメールを送る前に、必ず過去のやりとりをご確認ください。過去のやりとりを見れば答えがわかる質問には、お答えしません。またムカデやタバコシバンムシの駆除に関しては、過去のやりとり以上の情報は持っていませんので、ご了解ください。
●質問するときは、必ず名前を名乗ってください(ハンドルネームでも可)。署名がいっさいない場合はお答えしません。なお、このホームページに載せる際は、本人の同意が得られた場合のみ質問者の名前を公開しています。匿名やハンドルネームも可です。
●という訳ですので、質問するときには、やり取りのホームページ上での公開の可否と、公開の際の「大まかな住所あるいは所属」+「公開してもいい名前」を明記してもらえると助かります。
●より適切な解答をするために、質問内容だけでなく、できる限りなんのために知りたいのかを教えてください。
企業の業務上の質問はお断りしています。また、当館では現在のところ資料のコピーサービスは行なっていませんので、資料の送付はできません。こういった依頼はお断りしますので、ご了解ください。
●生物の名前を知りたい。という質問の場合、標本がなければどうしようもない場合が多々あります。画像だけではわからない場合もありますし、画像すらない場合はたいていあいまいな答えしかできません。できるかぎり標本を採取して、それを送ってくださるようお願いします。なお標本を送る場合は、あらかじめmonitor@omnh.jpまでその旨お知らせください。いきなり送りつけられても対応しかねますので、ご了解ください。