自然史博物館によせられた質問(質問番号:376)

■質問したひと:高槻市の大宅敏夫さん(2005/04/17, 発言番号:805)
栗のようなキノコについての質問
キーワード:アカマツ、光沢、高槻市
 最近北部にある神峰山寺付近を山歩きをしていて見つけたキノコなのですが、図鑑を見ても名前を知ることができませんでした。
 アカマツの幹に根元から頂点近くまで点在していまして、ちょうどクリの実のように硬くて丸く光沢があり、軸はほとんどみられません。 写真は4月16日に撮影したものです。

 

■こたえたひと:佐久間学芸員(2005/04/17, 発言番号:806)
Re[1]: 栗のようなキノコについての質問
キーワード:多孔菌科、胞子、昆虫
 サルノコシカケ科(多孔菌科)のヒトクチタケです。カワラタケのような典型的なひらたい傘のものと大分違うように見えますが、平たい傘の縁が下側にすぼまった構造をしています。下に口が一つ開いたような形からヒトクチタケの名があります。すぼまった口の中の、本来の傘の裏面にはサルノコシカケの仲間同様、細かな穴が開いています。
傘がすぼまった構造は、胞子をつくるこの細かな孔を保護しているとも見えますが、この空間には様々な昆虫が生活しています。ヒトクチタケは独特のにおいを放ち、これらの昆虫を呼び寄せているようです。胞子を運んでもらう昆虫のために、すみ場所を提供しているのかも知れません。

質問コーナーのトップへ戻る

ホームページへ戻る


スレッドツリー
栗のようなキノコについての質問(2005/04/17, No:805)
Re[1]: 栗のようなキノコについての質問(2005/04/17, No:806)