自然史博物館 質問コーナー(発言の個別表示)

■発言したひと:樽野学芸員(2000/05/16, 発言番号:376)
Re[1]: 双子の卵性と胎盤数についての質問
キーワード:一卵性双生児 二卵性双生児 胎盤 羊膜 絨毛膜
 「ふたごの育て方」(天羽幸子著、国土社、1971年)によると、一卵性双生児でも胎盤や羊膜・絨毛膜の数に3通りあります。
  1.胎盤2、絨毛膜2、羊膜2
 これは、二卵性双生児とまったく同じです。しかもこのパターンが約30%あるそうです。
  2.胎盤1、絨毛膜1、羊膜2
 このパターンが最も多く66%。
  3.胎盤1、絨毛膜1、羊膜1
 この場合はわずか4%。
ということで、やはり胎盤の数では卵性を判断することはできません。参考にしたのは、DNA鑑定などなかった時代の本です。そこで、卵性を判断は以下のような項目の類似度で総合的に判断すると書いてあります。
  1.血液型:一卵性なら同じ。二卵性なら違うこともある。
  2.指紋・掌紋
  3.唾液分泌型
  4.耳あか(乾いているか湿っているか)
  5.手指の第2関節の背の生毛(はえているかはえていないか)
  6.眉毛、鼻、口、耳の形、目の形と色
  7.歯の形
つまり見かけが似ているか似ていないかということが、結構使えそうです。
 それから、一卵性双生児を出産することは遺伝とは関係ないが、二卵性双生児の出産は遺伝するようです。母親の親戚にも双子がいれば、二卵性双生児の可能性大ということになります。また一卵性双生児の出産は若い人に多く、二卵性双生児の出産は比較的高齢の人に多いそうです。

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