自然史博物館 質問コーナー(発言の個別表示)

■発言したひと:山西学芸員(1999/10/29, 発言番号:267)
Re[1]: ハリガネムシについての質問
キーワード:ハリガネムシ
 秋に宿主から這い出したハリガネムシの成虫は、水中で冬を越し、4〜7月頃に産卵します。産卵に先立ち、交尾が行われます。産卵を終えた成虫は死を迎えます。
 卵は1ヶ月前後で孵化します。幼生は数10ミクロンの大きさで、水底を這い回りますが、乾燥には大変弱いものです。宿主は直翅類や甲虫類がほとんどです。感染経路は、水辺に来た宿主の摂餌や吸水の機会に直接消化管に取り込まれる場合と、ユスリカなどの水生小昆虫の体内にいったん入ったのちに宿主に食われるという、間接的な場合とが知られています。
 うまく宿主に入った幼虫は、数ヶ月をかけて成長し、秋には宿主から脱出する準備を整えます。
 成虫は、水中で生活しなければならないので、宿主が水に浸った時などに、それを感知して脱出することができるようです。また、降雨時に多数の成虫が観察された例もあります。外国では、寄生を受けた甲虫が進んで水辺を訪れるという報告例もあるようです。
 以上は、中山書店発行の「動物系統分類学 4 袋形動物」の線形虫類の章(井上巌著)に拠ります。

 魚に寄生するというのは、従来の知見にはないと思います。

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