自然史博物館 質問コーナー(発言の個別表示)

■発言したひと:動物研究室の和田学芸員(2001/08/28, 発言番号:1076)
Re[1]: シマフクロウの生息状況についての質問
キーワード:淡水魚、増殖事業
 2000年に出版された世界の鳥のレッドデータブック(Bird Life International. 2000. Threatened Birds of the Worlds.)によると、シマフクロウは、シベリアのオホーツク海沿岸とサハリン、北海道十部にのみ生息していて、その生息数は、250-999羽とされています。生息数は、生息地である森林の伐採や食物である淡水魚の減少によって、減少傾向にあるとされています。
 国内に限って言えば、現在約120羽が北海道東部に生息していると言われています(竹中2000)。この数字は、約10年前に100羽前後しか生息していない(環境庁1991)とされていたのに比べると、若干増えているようです。
 国内では、種の保存法によって、国内希少野生動植物種に指定され、増殖事業も行われています。その成果が徐々に現れてきたとは言えるでしょう。しかし、まだまだ国内での絶滅が回避できたと安心することはできない状態です。自然状態で順調に繁殖して増えているとは言えない状態です。
 淡水魚を食べて生活しているフクロウなので、豊富な淡水魚を擁した河畔林をいかに残して(及び再生して)いくかが今後の大きな課題でしょう。

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